読書記録『夜の構図』

こんばんは、ねこめです。第十五回目は織田作之助の『夜の構図』です。今日は織田作之助の誕生日なので彼の作品から気になった作品を読みました。

自作の脚本の上演を見るために上京してきた信吉が、宿泊場所の第一ホテルを主な舞台として様々な人と関わっていきます。この信吉という男には悪癖があり、良くも悪くも、そこに登場人物達は惹きつけられていってしまいます。

さらに、このお話で興味深いのは、度々作者の語りを挟むところです。

 しかし、作者が敢てこの人物の心の動きや表情の翳を捉えるのは、そしてまた、物語のテンポを遅らせてまで、その描写や説明に多くの筆を使うのは実は現代の青年の中には、多かれ少かれ、好むと好まざるとにかかわらず、信吉という人物が棲んでいるからだ。すくなくとも現代の青年の多くは、信吉的要素を持っているのだ。

https://www.aozora.gr.jp/cards/000040/files/47289_51221.html

織田作之助はきっとこれを言いたかったんだろうなと思いました。作者からのメッセージを作品の中に書き込むことで、そのこだわりがより一層読者に伝わってくる気がします。

『天衣無縫』を読んだ時も思ったけれど、ロクでもない男を書くのがうまいなあと、織田作さん。気になる方は是非全文読んでみて下さい。

青空文庫より『夜の構図』織田作之助
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