読書記録『天衣無縫』

こんばんは、ねこめです。第十三回目は織田作之助の『天衣無縫』です。

主人公の政子がお見合い結婚する物語なのですが、とにかく相手の男がろくでもないのです。

しかもそれは、なにも今日明日に始まったことではなく、じつはあの人のお饒舌のお友達に言わせると、京都の高等学校にいた頃からのわるい癖なのだそうだ。
 その頃あの人は、人の顔さえ見れば、金貸したろか金貸したろか、と、まるで口癖めいて言っていたという。だから、はじめのうちは、こいつ失敬な奴だ、金があると思って、いやに見せびらかしてやがるなどと、随分誤解されていたらしい。ところが、事実あの人には五十銭の金もない時がしばしばであった。校内の食堂はむろん、あちこちの飯屋でも随分昼飯代を借りていて、いわばけっして人に金を貸すべき状態ではなかった。それをそんな風に金貸したろかと言いふらし、また、頼まれると、めったにいやとはいわず、即座によっしゃと安請合いするのは、たぶん底抜けのお人善しだったせいもあるだろうが、一つには、至極のんきなたちで、たやすく金策できるように思い込んでしまうからなのである。

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いくらお人好しと言えど、ここまでくると救いようがないのではないでしょうか。さらに自覚も悪意も無いのでタチが悪いです。こんな人とは結婚したくないな、と思いました。

他にもダメ男エピソードが繰り広げられているので、気になる方は読んでみてください。

青空文庫より『天衣無縫』織田作之助https://www.aozora.gr.jp/cards/000040/files/47052_32363.html