読書記録『後世』

こんばんは、ねこめです。第八回目は芥川龍之介の『後世』です。

短いエッセイですが、作家としての憂いと祈りを感じました。

今日の私の眼は、唯今日の私の眼であつて、決して明日の私の眼ではない。

https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/33202_12224.html

言われてみると、絶対的で普遍的な『時と処とを超越した美』というのは、存在しないのではないかと思えます。

しかし――
 私はしかしと思ふ。
 しかし誰かゞ偶然私の作品集を見つけ出して、その中の短い一篇を、或は其一篇の中の何行かを読むと云ふ事がないであらうか。更に虫の好い望みを云へば、その一篇なり何行かなりが、私の知らない未来の読者に、多少にもせよ美しい夢を見せるといふ事がないであらうか。

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こう語った芥川の死後、時を経て現代のわたしが今この『未来の読者』で在ることが、泣き出しそうなほど嬉しいです。わたしは文豪ではないけれど、ひとりの物書きとして、浪漫を感じずにはいられません。自分の作品が後世の誰かの元に届いて、少しでも夢を見せることができたなら、冥利に尽きます。わたしもいつかの誰かに届けられるように、ものづくりを通して生きた証を残していきたいです。

勇気を貰えるので、創作に携わる全ての人に読んで欲しいなと思います。

青空文庫より『後世』芥川龍之介
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