読書記録『畜犬談』

こんばんは、ねこめです。第二十六回目は太宰治の『畜犬談』です。犬に対する恐怖心が強すぎるが故の、珍妙な行動が面白かったお話でした。副題に「―伊馬鵜平君に与える―」とあるのですが、この物語の主人公「私」は太宰のことですかね?(調べてもはっきりと分からず……)わたしはなんとなく頭の中で太宰の顔を思い浮かべながら読みました。ほら、想像してみてください……

私は、とにかく、犬に出逢うと、満面に微笑をたたえて、いささかも害心のないことを示すことにした。夜は、その微笑が見えないかもしれないから、無邪気に童謡を口ずさみ、やさしい人間であることを知らせようと努めた。これらは、多少、効果があったような気がする。

https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/246_34649.html

こんな人がいたら怪しすぎます。可笑しくてもわらえないです。
しかしそんなふうにして犬を避けていた主人公が、皮肉にも犬に好かれてしまう!
人間でも同じようなことがありますよね。不思議ですね。

主人公は、懐いて家に居座るようになった犬をポチと呼び、なんだかんだで可愛がっていたようにも思えました。ですが、引越しを機に置いていくことを決めます。

ポチは、やはり置いてゆかれることに、確定した。すると、ここに異変が起った。ポチが、皮膚病にやられちゃった。これが、またひどいのである。さすがに形容をはばかるが、惨状さんじょう、眼をそむけしむるものがあったのである。おりからの炎熱とともに、ただならぬ悪臭を放つようになった。こんどは家内が、まいってしまった。
「ご近所にわるいわ。殺してください」女は、こうなると男よりも冷酷で、度胸がいい。
「殺すのか」私は、ぎょっとした。

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奥さんの方が冷酷で怖いです。果たしてポチの運命やいかに……!?
短編で読みやすいので、気になる方は是非とも結末をその目で確かめてみてください。

青空文庫より『畜犬談』太宰治
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